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歩行

HUSKING BEE

Walkの日本語訳より


いつの間にか僕は前を向いていた
自分の行き先が分かり始めた
踏みしめた跡が続く
いつも一人だった訳じゃなく
かといっていつも支えられてた訳じゃなく




あれは

僕が本当に小さかった頃の話

その日は

朝、雨が降ったが午後にはあがり

僕は買ったばかりの傘を

手持ち無沙汰にしてG君と帰っていた

G君は本当は車で帰るつもりだったが

どうやら

おじいちゃんに

「子供なんだから歩いて帰ってきなさい」

と言われたらしく

ブツブツと文句を歌にしていた

「おじいちゃんが迎えに来ない

暇なくせにむかえにこない~」

そんな彼の

不条理なテンションに僕も乗ってしまい

僕も傘を手首で

リズムよく

前と後ろに動かしていた



その時

僕は

不意に手を離してしまい

傘が離れ

道路わきの水路に入ってしまった


僕は少し悩んだ後

傘を無くすぐらいよりはと

鞄を置き

水路に飛び込んだ


飛び込んだ後

傘を取ることは容易だった

だが

そこから僕は

出れなくなってしまった



そこで僕は

叫んだ


「G君出られないから助けて~」


彼は歌う


「じいちゃん来ない
 
 迎えに来ない~」


僕はそれでも叫ぶ


「お願い~助けて~」


彼は歌う


「迎えに来ない、やってられない

おっと

僕呼ぶ声がきこえるな~」


僕は連呼する

「ここだ、ここ

早く助けて~」


彼も歌う


「助けってって聞こえるな

でも

じいちゃんこない」


「おい

早く来い」


「怒ってる人は

助けられないし

じいちゃんこない」




僕は一瞬あきらめた

そう死を覚悟した



でも

そんな状態の僕の声を聞いているのに

目の前でのんきに歌を歌うGをみて

ぼくは

何故か

無性に

力がみなぎってきていた






そこから先はよく覚えていない

今ここでこの話を書いているのだから

きっと

脱出したのだろう



あの怒りのお陰で・・・・






いつの間にか僕はずぶ濡れになっていた
怒りの矛先が分かり始めた
踏みしめた跡は濡れている
いつも一人だった訳じゃなく
かといっていつも支えられてた訳じゃなく

by neet_massi | 2006-06-10 22:43 | 駄文
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